α7Ⅲユーザーの私がα7RⅢを借りて比較!買い換えるべきか検証してみた

※2024年3月に更新しました。 また本ページにはプロモーションが含まれています

SONY α7Ⅲとα7RⅢのどちらを買うべきか悩む方は非常に多いでしょう。

 

低予算で揃えるなら断然α7Ⅲの方が有利で、実際にα7Ⅲの方が売れています。

 

だけど、4000万画素を超えるα7RⅢに一眼カメラユーザーなら誰もが憧れるでしょうし、仕事で撮影する方はやっぱりα7Ⅲに不安を感じる方も多いでしょう。

 

ここではα7Ⅲを使っている私がα7RⅢに買い替えるか検討するためにα7RⅢを借りて使ってみて検証してみましたよ。

 

 

他社のカメラからSONY α7シリーズに乗り換えを検討している方は、プロフォトグラファー イルコさんの動画は要チェックです。
特に上の動画はイルコさんがCanon 1Dxから乗り換えた理由について解説してくれていて私がα7Ⅲを購入したきっかけにもなりました。

 

ぜひ視聴してみましょう。

 

α7Ⅲとα7RⅢ 画質比較

α7Ⅲとα7RⅢで最も気になる画質の点から比較しましょう。
カタログのスペックから引用すると、α7Ⅲの有効画素数は約2420万画素となります。

 

 

SONY α7RⅢとα7Ⅲの目立って違う点をピックアップ!

仕様 SONY α7RⅢ SONY α7Ⅲ
有効画素数 4240万画素 2420万画素
ローパスフィルター
ピクセルシフトマルチ機能 -
AF測距点数 399点(位相差検出方式) 693点(位相差検出方式)
ISO感度

静止画撮影時:ISO100-32000
(拡張:下限ISO50、上限ISO102400)
動画撮影時:ISO100-32000相当

静止画撮影時:ISO100-51200
(拡張:下限ISO50、上限ISO204800)
動画撮影時:ISO100-51200相当
(拡張:上限ISO102400)

ファインダー総ドット数 3,686,400 ドット 2,359,296 ドット
液晶モニター総ドット数 1,440,000ドット 921,600 ドット
5軸手ブレ補正 5.5段 5.0段
質量(本体のみ) 572g 565g

 

 

対してα7RⅢの有効画素数は約4240万画素とα7Ⅲのほぼ2倍程度の差があるのが顕著な違いです。
シンプルに画素数が多いだけに、α7RⅢの画質はとても優れたものだと言えます。

 

ただα7Ⅲの方でも画素数こそ劣っていますが、一般レベルで撮影する分には十分な画素数です。

 

この点をどう考慮するかで、2つのカメラの評価が大きく違ってくるでしょうし、どちらを購入するか選択の決定ポイントになるのは間違いありません。

 

α7RⅢのみに搭載されたピクセルシフトマルチ機能

 

画質をα7Ⅲとα7RⅢで比較する上で外せないのが、ピクセルシフトマルチ機能があるかないかです。

 

ピクセルシフトマルチ機能はα7RⅢに搭載されているもので、α7Ⅲには搭載されていません。

 

通常の写真撮影では1枚の撮影データから色情報を取得して、ソフトの補間処理によって残りの色情報を取得します。

 

 

対してピクセルシフトマルチ機能では4枚の撮影データから、すべての色情報を取得して補間処理ではなく、直接的にデータを合成します。

 

つまり約1億7000万画素の情報から、良い部分だけを選んで1枚の写真とすることができるのです。

 

そのため被写体の細部まで、忠実に再現できると考えて良いでしょう。

 

特に質感の再現については、その精度の高さに定評があります。

 

希少な建築物や美術品を目でとらえる以上に美しく写真で再現できるため、プロの写真家の方にはかなり重宝する機能でしょう。

 

ただ1つ欠点と言えるのが、この機能がカメラのボディ内だけで合成できるものではないという点です。

*1 合成には「Imaging Edge」の「Viewer」「Edit」が必要です。カメラや被写体のブレが発生すると正しく画像が合成されません。
撮影時は三脚などを使用し、さらにPCリモート撮影やリモートコマンダーを用いて撮影してください。
ピクセルシフトマルチ撮影時は、非圧縮RAW記録かつサイレント撮影が[入]に固定になります。フラッシュ撮影など一部機能に制限があります

 

SONY公式HP「ピクセルシフトマルチ撮影の原理」から引用しています。

 

純正のソフトウェア「Imaging Edge」を使うことで、利用できる機能となっています。

 

そこまで画質にはこだわらないという人も多いと思いますが、α7RⅢでは解像力を最大限に高める機能があると覚えておくといいです。

 

 

ローパスフィルタのありなしも注目点

α7RⅢとα7Ⅲの画質比較でもう1つ欠かせないのは、ローパスフィルタのあるなしという点です。

 

α7Ⅲはローパスフィルタがあり、α7RⅢにはローパスフィルタがついていません。

 

一般的にローパスフィルタがついていない機種は、解像度そのものは高くなりますが、モアレがでるリスクも負ってしまいます。

 

しかし先述のピクセルシフトマルチ機能があることから、α7RⅢではモアレのリスクよりも解像度の高さを選択しているのです。

 

さらにイメージセンサー上にあるガラスには、反射防止膜を採用することで光の反射を抑え、モアレを出しにくい構造となっています。

 

α7Ⅲの方ではローパスフィルタがついた構造ですので、一発撮りで失敗できない時には安心できるでしょう。

 

逆に写真の解像力を追求したい場合はα7RⅢのほうが向いています。

 

ローパスフィルタのあるなしについては、個人的な好みも分かれるところです。

 

α7Ⅲとα7RⅢの動画性能はどう?どちらが動画に適しているの?

では次にα7Ⅲとα7RⅢの動画機能の比較をしましょう。

 

動画機能において、この2機種が共通する大きな特徴がフルサイズセンサーであるという点です。

 

一般的にフルサイズの方がカメラのセンサーが大きく、同じ画素数でも画質がアップすると考えられていますので、プロのフォトグラファーはフルサイズセンサー一択とされています。

 

しかし、動画では必ずしもセンサーサイズが大きいカメラが選ばれるというわけではありません。

 

プロの動画クリエイターは好んでAPS-Cやマイクロフォーサーズセンサーのカメラを選ぶ方もたくさんいます。

 

動画撮影にはセンサーサイズ以外の項目が重要な場合があります。

 

ちなみにα7Ⅲとα7RⅢはフルサイズモードとAPS-Cモードを切換えて動画を撮影できるようになっています。

 

APS-Cセンサーで撮る動画とはどんなもの?

 

APS-Cとはフルサイズのデータから、一部をクロップしたものになります。

 

つまり疑似的なズーム効果があり、フルサイズで撮る動画と比べて画質の向上や処理の速度が速くなります。

 

その反面広角側での撮影が難しくなるので、狭い場所での撮影では苦労するかもしれません。

 

またα7RⅢでは4K動画に必要な画素数の約1.8倍(5K相当)の情報量を、凝縮した上で4K動画の映像として出力をします。
そのためモアレやジャギーの少ない動画を撮影できるとしています。

 

これに対してα7Ⅲのフルサイズ動画は、4Kに必要な画素数の約2.4倍(6K)の情報を凝縮しています。
(24p記録時の倍率です。30p記録にした時は約1.6倍。)

 

良くも悪くも癖があるため、α7RⅢよりもα7Ⅲの方が動画撮影では優れるとする人も多いのが実状です。

 

4Kフルサイズ動画に対応するカメラは少ない?

 

フルサイズセンサーで4K動画を撮影したいと考えている方に、α7Ⅲの方が圧倒的に選ばれています。

 

α7Ⅲが選ばれる理由の一つに高感度性能が高いという点もあります。

 

高感度性能とは暗い場所での撮影時にISO感度を上げたとしても、ノイズが現れにくいことを言います。

 

α7Ⅲはα7RⅢよりも高感度性能が高く作られているため、暗所で動画を撮影した場合、α7RⅢよりもノイズが少ないです。

 

つまり動画の撮影をするという点で考えると、α7RⅢよりもα7Ⅲの方が有利であると考えられています。

 

α7Ⅲα7RⅢ 液晶モニターとEVFの違い

さらにα7Ⅲとα7RⅢのEVFの性能を比較してみましょう。

 

EVFとは電子ファインダーのことで、α7Ⅲの方が約230万画素です。

 

α7RⅢの約369万画素と比較すると、α7Ⅲは若干見劣りしてしまいます。

 

従来品と比較すると、ファインダー倍率が0.71倍からともに0.78倍と細かい部分での代わりはありません。
基本的に倍率が変わったことで、ファインダーの画面そのものが広々としているのが特徴でしょう。

 

ただ画素の細かさに差がでているのがポイントです。

 

特にマニュアルフォーカスをする時には、やはり液晶モニターやファインダーの解像度が高い方があわせやすいのは間違いありません。

 

α7Ⅲ、α7RⅢのEVFにおける最大の違いは、液晶モニター・ファインダーの解像度の差という点を理解しておくといいでしょう。

 

ちなみにもう1つ大きな違いとしては、α7RⅢはファインダーのフレームレートを変更することができます。
標準のフレームレートである60fpsから120fpsに変更できます。

 

液晶モニターにはどんな違いがある?

α7Ⅲとα7RⅢの液晶モニターについても比較します。

 

上方向に約107度、下方向に約41度まで可動できるのも同じですし、両者ともにタッチパネル対応となっています。

 

他にもタッチフォーカス機能や、タッチパッド機能も搭載されていますので大きく変わることはありません。

 

サイズも両者ともに3.0型のものが搭載されています。

 

ここでも大きな違いとなるのが、液晶モニターの解像度です。

 

α7Ⅲが約92万ドットに対して、α7RⅢの方が約144万ドットなります。

 

α7RⅢとα7Ⅲではかなり価格差がありますが、その差がEVFや液晶モニターにでていると言えます。

 

先ほど高感度性能の高さで動画においてはα7Ⅲのほうが優れていると言いましたが、暗所での撮影がない場合はα7RⅢの方がピントも合わせやすく撮影しやすいという考え方もあるでしょう。

 

α7Ⅲとα7RⅢ 買うならどちらがオススメ?

最終的にα7Ⅲとα7RⅢならばどちらを買うのがお勧めなのでしょうか?

 

結論を言いますと、どんな撮影したいのかで答えは変わってきます。

 

特に考慮しておきたいのが画素数の多さによる弊害です。

 

α7Ⅲは約2420万画素なのに対して、α7RⅢは約4240万画素です。

 

画素数が多い方が精密な写真を撮影するのにもちろん向いています。

 

ただ、そこまでの画素数を必要とする写真を必要とするのかどうかが問題です。

 

被写体や写真撮影の方法によって異なりますが、画素数はあればいいというものではありません。
それが逆に足を引っ張ることもあるからです。

 

画素数が多いとRAW現像のデータ量が大きくなるのも難点となってきます。

 

データ量を比較すると1枚あたりα7RⅢが45MB、α7Ⅲが25MBです。
データ量が大きくなるほど、撮影データを保管するストレージも容量が大きなものが必要となります。

 

さらに処理を行うパソコンのスペックも高いものが要求されるでしょう。

 

こうした点を総合的に考慮すると動画用途や低コストで写真を扱いたい方はα7Ⅲ。

 

プロ品質の写真を撮りたい方はやっぱりα7RⅢがおすすめだと言えます。

 

α7Ⅲの方が高いスペックになる部分もある

α7RⅢとα7Ⅲを比較したときに、より高額の機種であるα7RⅢの方が全体的に優れていると思いがちですが、実際にはα7Ⅲの方がスペック的に優れている部分もあります。

 

その1つがAF機能です。
α7RⅢの方が位相差検出方式による測距点数が399点で、α7Ⅲは位相差検出方式が693点です。

 

α7RⅢはα7RⅡと比べると格段にAF性能が進化しているので、これでも十分高速にピントが合いますが、α7Ⅲと比べるとその差は大きいでしょう。

 

ボディ本体の価格差でレンズを購入できるのはα7Ⅲの強み

 

α7Ⅲとα7RⅢの両方を比較した時の価格差は、およそ10万円程度です。
この価格差でレンズを揃えることもできます。

 

Eマウントシリーズのレンズは現在かなり増えていて、使ってみたいレンズが目白押しです。

 

そして一本一本がやっぱり高価です。

 

写真を趣味とする人ならば理解が早いかもしれませんが、カメラは本体だけではなくレンズ選びも重要です。

 

もちろん安価なキットレンズでも撮影はできますが、やはりカメラのスペックを十分に発揮させるには高品質なレンズが不可欠です。

 

私の経験談ですが、α7Ⅱを使っていた頃に良いフルサイズレンズを持っていませんでした。

 

しかし、今では背伸びして買ったフルサイズレンズがあってこれまでよりも撮影が何十倍、何百倍も楽しくなりました。

 

ボディをちょっと妥協して良いレンズを買うというのもカメラを楽しむには良い方法ですよ。